連日報道されている小林麻央さん。
あんな風に、いろいろな意味で美しく旅立てる人はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。
世界はとても美しく、家族は愛すべきものであるということを教えてくれて、病にも負けない強さと愛情の深さを持って。
もし、自分があの立場だとしたら、きっとあんな風にはできないだろうなぁ…と思います。
でも、「愛された」という思い出を、誰かに残されている方はたくさんいらっしゃるのだな、と最近立て続けに届いた似顔絵を見ていると実感します。
最近、なぜか多かった「亡くなった方との似顔絵」
少し前に亡くなったお父さんと、残されたお母さんを一緒に描いて、ふたりに感謝の気持ちを伝えたい。
結婚式前に亡くなったお父さんと、せめて家族写真代わりに正装した似顔絵を描いてほしい。
幼い頃に亡くなってしまったお父さんにも感謝の気持ちを贈りたいので、サンクスボードにみんなと一緒に描いて欲しい。
きっと、大好きだったから、愛されていた実感があるからこそ、こういうご注文をいただけているのだろうなと。
亡くなったことはとても悲しいことだけど、そういう想いが、記憶が残されているというのは幸せな事なのかもしれない、と、笑顔で描かれた似顔絵を見ながら考えていました。
また、時折いただく、死産したわが子との家族の似顔絵がほしい、というご依頼。
出来上がった似顔絵で、少しでも、ほんの少しでも、残された方々の心が癒されますようにと願うばかりです。
死は誰しもが避けては通れない事ですが、できることなら、なるべくまわりの人に「幸せだった」という記憶を残せるように、今を生きたい。そんな風に思うこの頃です。
こんな話の時にご紹介するのも心苦しいのですが…
それでも、似顔絵で誰かを喜ばせたり、癒されたいと願う方もいらっしゃると思うので…
上記でご注文いただいていたものに似た雰囲気の似顔絵です。
ご注文いただいた作品では、2人の娘で良かった。
そんなメッセージで描かれていました。
きっと素敵なお父さまだったのだろうな。
お母さまも、お父さまとのツーショット、喜んでくださるんじゃないかな。
喜んでいただけるといいな。
そんな事を思いながら、作品をお送りしました。
花嫁姿、花婿姿、見せたかっただろうな。
本当は、お式に参列してほしかったにちがいありません。
でもどうしても叶えられない事もあるので、似顔絵で少しでも参列してくれてるような気持ちになっていただければ…
いっぱいいっぱいありがとう。
そんなメッセージにも、心を打たれました。
新しい家族。
その中に、亡くなったお父さまも一緒に。
ずいぶん前にお亡くなりになられていたので、作品ではお客さまのご要望で、もしご健在だったらこんな風だったのでは、という感じで描かせていただきました。
何年も前に亡くなった方をお描きする場合、お写真そのままがいい、とおっしゃる方と、もし生きていたら今は○○歳なので、それくらいに見えるように、とおっしゃる方がいらっしゃいます。
想像でお描きする事にはなりますが、そんな風にお写真よりも年齢を重ねた感じでお描きすることもできます。
とても悲しい事ですが、亡くなったお子さまとの似顔絵を、というご注文もあります。
開くことのなかった目がぱっちりと開いていて、笑ってくれているのに嬉しくて涙が出た、と言っていただいた事も。
新しいご家族が増えて、撮る事のできない「家族みんなでの写真」の代わりに、とご注文いただく事もあります。
想像するだけで胸の痛い事ですが、似顔絵で、一瞬でも、フッと笑顔になっていただけるといいなと思っています。